プレカットについて

プレカットってなに?


 みなさんは上棟(じょうとう)を見かけたことはありますか。朝は何もなかったはずなのに、夕方になったら家の形ができていた。あれが上棟です。あっと言う間に、家の姿が出来あがっているのです。ちょっと驚きですね。
 1日で建ち上がるのには訳が有ります。実は、あらかじめ材料を加工しておき、組み立てるだけにしておくのです。

 昔はその準備を大工さんがおこなっていました。手板に図面を引き、それに従って木材の1本1本に墨付けをした後、鋸やノミをつかって、複雑な「継手」や「仕口」の刻みをおこなう。非常に手間と時間が掛かりました。時には、加工の忘れや間違いも有ったでしょう。大工さんの腕によって、数週間で出来たり、何ヶ月もかかったり、しっかりした良い建物であったり、そうでなかったりしました。

 今、その準備は当社のような専門の工場がおこないます。それを「プレカット」と言います。プレカットになってから、建築の世界は大きく変わりました。大工さんが経験に頼って書いていた手板の図面は、計算に裏打ちされた構造設計図となり、ノミで刻んでいた加工は、コンピューターの自動制御になりました。大工さんの腕に頼り切っていた品質が、すべての建物に、もれなくお届けできるようになったのです。

 プレカットで刻まれた材は、ただ加工が施された木材というだけではなく、「品質」という付加価値がついた工業製品と言っていいでしょう。ですから、プレカットの「プレ」は実は、「プレミアム」の「プレ」だったのです。

プレカット加工のメリット

工期が短縮できる!

 例えば、大工さんの手刻みでは数カ月かかる物件も、プレカットならものの数時間で加工が完了。お打合せや図面のやり取りの日数を含めても、まだまだ、プレカットの方が断然早く上棟になります。

 また、羽柄や合板のプレカットは、上棟以降の現場作業を大幅に省力化します。竣工までの期間が短縮し、人件費が節減され、コストダウンに繋がります。

加工精度が高い!

 プレカットは機械加工なので、仕口の納まりがぴったりです。見た目にも安心できますが、実際に手刻みより強度が増すという実験結果も有るそうです。

 高齢化により、熟練の大工さんも不足しています。それを補うのは、日々進歩してゆくプレカットをおいて他にはありません。

ゴミが出ない!

 プレカットは加工済みの木材なので、現場での刻みが要りません。だから、粉塵が飛び散らず、近所に迷惑を掛けない。掃除の手間も軽減します。

 そして何より、端材が出ないのでゴミの始末に困らない。今風に言いますと、廃材を抑制することで環境負荷の軽減に貢献できる、という訳です。

と、ここまでは…

 ここまではよく言われているプレカットのメリット。しかし、それだけではないんです。

 下の2つは日本住建おすすめのメリットです。 


安全な現場になる!

 今では根太レス合板が一般的になりましたが、それをプレカットして、上棟時に2階に敷き込みますと、たちまち安全な作業床が出現します。安全ネットを張る手間もいりません。

 コストダウンも大事ですが、現場の安全はもっと重要だと思います。

雨の心配がない!

 垂木と野地合板をプレカットしておきますと、すぐに屋根が形になります。少しでも早く雨の心配を取り除ける訳です。

 それに、高所での作業も少なくて済むので、それだけ安全です。
 時間短縮だけでない、目に見えないメリットこそプレカットの本領なのです。